有機フッ素化合物(PFAS)の対応について
経過
市内の河川水中のPFAS(PFOS及びPFOA)濃度の状況を把握するため、令和7年10月7日に賀茂川本流1地点及び支流河川3地点の計4地点で水質検査を実施しました。
その結果、支流河川の1地点(田万里川)において指針値(1リットルあたり50ナノグラム)の超過を確認しました。
検査結果

*1 検査結果は有効数字2桁で処理した値を掲載しているため、「PFOS及びPFOAの合 算値」の値は必ずしも「PFOS」「PFOA」の結果の合算値とは一致しない。
*2 指針値(50ng/ℓ)は、体重50kgの人が生涯にわたり毎日2リットルの水を飲用 したとしても、この濃度以下であれば人の健康に悪影響が生じないと推定される量として国が設定したもの
今後の対応
国が定める「PFOA及びPFOAに関する対応の手引き」に基づき、指針値を超過した地点の周辺にある井戸の利用状況を速やかに把握します。
その後、飲用井戸については、本市がPFOS及びPFOAの水質検査を実施します。指針値を下回ることが確認されるまでは、安全性が確保されている水道水を飲用してください。
また、周辺環境における影響の範囲を把握するため、広島県や東広島市と連携を図りながら、追加調査を実施します。
PFOS及びPFOAに関する対応の手引き(第2版)(環境省)
農産物への影響
現在、農畜水産物等の食品について、人の健康への影響に関する情報が不足しており、評価する基準も定められていません。食品の安全性を科学的に評価する国の機関である食品安全委員会は、「現時点での情報は不足しているものの、通常の一般的な国民の食生活(飲水を含む)から食品を通じて摂取される程度のPFOS及びPFOAによっては、著しい健康影響が生じる状況にはないものと考える」と評価しています。
この度、国(農林水産省)において、令和6年度国産農畜水産物に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の実態調査や試験研究の結果が公表されました。
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~国産農畜水産物からのPFOS、PFOA摂取量は、耐容摂取量と比較して十分に少ないことが判明~
今回の結果から、
・調査対象品目(14品目)の分析結果(濃度)と平均消費量を用いて、これらの品目からの総摂取量を試算すると、PFOSで0.10 ng/kg体重/日、PFOAで0.08 ng/kg体重/日であり、耐容一日摂取量(TDI)*1 20 ng/kg体重/日と比べると、それぞれ十分に少ない水準にあること
・水稲の栽培試験の結果から、土壌中のPFOS及びPFOAは、ほとんど玄米に移行、蓄積しないことが分かりました。
※1 耐容一日摂取量(TDI):意図的に使用されていないにもかかわらず、食品中に存在する物質について、 ヒトが一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日あたりの摂取量のこと。 体重1 kgあたりの摂取量で示される。令和6年に内閣府食品安全委員会は、PFOS及びPFOAのそれぞれについて、 TDIを20 ng/kg体重/日と設定。
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令和6年度国産農畜水産物に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の実態調査や試験研究の結果について (農林水産省ホームページ)
出典
「有機フッ素化合物(PFAS)」評価書に関するQ&A(2024年6月25日)(食品安全委員会)
健康への影響
PFOS及びPFOAについて内閣府食品安全委員会は、海外研究をもとに健康影響を検討した結果、いくつかの変化が「否定できない」と評価しています。
具体的には、肝機能値(ALT)やコレステロールのわずかな上昇、出生時体重の低下、ワクチン後の抗体のつき方の弱まりなどが報告されています。
しかし、これらは変化が軽微であること、病気につながるか不明なこと、量が増えるほど悪化する明確な関係が示されていないことなどから、健康影響として確定するには証拠が不十分とされています。
発がん性についても、動物実験の結果を人に当てはめることは難しく、人の研究でも結果が一致しておらず、関連は限定的または不十分と判断されています。
出典

更新日:2025年11月21日