聖観世音菩薩座像(しょうかんのんぼさつざぞう)

更新日:2022年01月14日

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あぐらの状態で左手を低く上げている菩薩坐像の写真

県重要文化財

  • 所有者 寿福寺
  • 所在地 吉名町観音谷、長福寺観音堂内
  • 指定 昭和53年1月31日

清石山長福寺は、小早川隆景公が信仰された寺院と伝えられていますが、今は小さな観音堂が残っており、その本尊がこの観音像です。

像高93.5センチメートルの座像で、膝張72センチメートル、木彫、頭部と胴体を一木で造り、膝張部は寄木に造られています。法衣は通肩にかけ、結跏扶座の姿勢で、宝髪は高く髷に結い、宝髪生え際のまわりには冠座の彫を残しています。白毫のあとをとどめ、眼は木眼に造られ、耳朶長く孔を貫き、頸には三道をあらわし、口紅、口髭は当初のままを残しています。右手は膝に、掌を上に、左手は肘を上に曲げ、末開敷の蓮華を持ち、像の木地の上に布をはりつけたあとを残し、その上に漆を塗るいわゆる乾漆に造られています。
法衣衣文の彫法は浅く、全体薄着に見えますが、乾漆の用法によるものと見られます。黒漆の上、全身に当初の金箔をよく残しており、全体として当初の姿をよく保存しています。その彫法作風により見て藤原時代の後期(1086〜1191)の作と考えられます。秘仏。

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